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今日 - 合計 - 悠久幻想曲 2nd Albumの攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月09日 (火) 15時27分03秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
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1999年12月22日発売4ブロック キャンペーンとして、一部ショップでポケットステーションオリジナルゲームが配布されていました。 予約キャンペーンでも貰えたようです。 本編にはポケステ用ソフトは収録されていません。 内容は、記憶力ゲームとキャラとの会話が行えます。 クリアすると、特別なグラフィックが見られます。 【収録内容】 ルーティ / バーシア / フローネ / ティセ / メルフィ 【参考サイト】 悠久交差点 【通信販売】 悠久幻想曲3 Perpetual Blue
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前ページ次ページ悠久幻想曲ネタ <その価値は 3> 「私が知っていることはこれくらいだ。もっとも、私が知らないこともあるかもしれないが」 カップの中身をゆるりとかき混ぜながら、レジェンドはそう締め括った。 予想だにしなかった事実を知り、シンは喘ぐ様に口を開いた。 しかし言葉は出てこない。何かを言うべきだと分かっていながらも何を言えばいいのか分からなかったからだった。 「補足するが、どうせ私たちは長く存在することは出来ないだろう。深く情をかけないことを勧める」 淡々と、まるで他人事のようにレジェンドは語る。その態度がシンの癪に障った。 「お前は、何も感じないのか? 自分のことだろ!?」 シンは立ち上がっていた。周りの視線が集まるがそれを気にするほどの余裕もないほどに感情が高ぶっていた。 「そんな……そんな風に割り切ることが、何でできるんだよ」 憤りと、悲しみ。それらの思いがシンの中でない交ぜになっていた。 「何故、君はそこまで怒っている?」 不思議そうな顔で尋ねるレジェンドに対し、シンは呻くように答える。 「お前はここにいるだろ? 生きてるんだろ? それなのに何で、今にも消えそうな顔してるんだよ……」 そんな感覚を、シンは一度だけ実感したことがある。 守ると約束した少女が苦しむ姿を黙って見ていることができず、その手を握った時の感覚。 確かに目の前に存在するのに、冷たく、力なく握り返してくる手。幻影のようなその姿に自らの無力さを痛感す るしかなかった、あの時の感覚。 もう二度と、味わいたくなかったこの感覚。 「生きて、いる?」 呆然と聞き返すレジェンドの姿に、少年の影が重なる。 (どんな命でも……) その言葉を『彼』がどんな気持ちで語ったのかを今さら思い知りながら、シンは告げる。 「――どんな命でも、生きられるのなら生きたいだろう」 「……それは」 「生きているということはそれだけで価値がある。どっちもお前に乗ってた奴が言ったことだ」 レジェンドが目を伏せる。もはや会うことも叶わないマスターの言葉に何かを感じたのか、その目に感情が浮か んだように見えた。 「俺はこれからもお前たちの仲間を捜す。そいつらが誰かに危害を加えるようならぶん殴ってでも止めるし、助け を求めてくるなら全力を尽くす」 「それで後悔するとしても、か?」 「立ち止まったまま後悔するより、一歩でも前に進んでから後悔するさ」 シンの心は決まった。このことで元いた世界の自分やその周辺を見つめ直すきっかけにもなる、そんな確信を 得ていた。 「……君は、優しいな。それはきっと弱さにも繋がるだろう」 「似たようなことを言われたよ」 そう苦笑するシンだったが、直後に驚いた顔へと変わった。 「――だが、悪い気はしないよ」 両手でカップを持ち上げるレジェンドの表情は、どこか嬉しそうなものだった ……雑貨屋で蝋燭を買い、シンは教会への道を辿っていた。 レジェンドから聞いた話を思い出す。彼女もデスティニーやインパルスと同様に、この街の住人の厚意に甘えさ せてもらっているらしい。それなりに良い関係を築いてるという言葉を信じるなら心配する必要はないだろう。 ――とはいえ、二人には伝えとかなきゃな。 いっそのことさくら亭にみんな集めた方が手っ取り早いか、と都合がつく日を考えたところで思わず苦笑した。 足取りが軽いのだ。やはり悩みを抱えたままなのは性に合わないということを心の底から実感していた。 「なるようになる、か」 今日のレジェンドのように直接会ってみなければどんな相手なのかは分からない。今まで会った三人は比較的 大人しい――あくまで比較的に――方だが、他のMSたちも同じであるということは考えにくい。 今回の話から判断するなら、出会った人間が少なからず影響するらしい。最悪の展開は前もって覚悟しておく べきだろう。 「にしても何人いるんだか……ん?」 教会が見えるところまで来たところで、シンは『それ』に気が付いた。 教会の前で、居心地悪そうにそわそわしているデスティニー。 その格好はいつものトリコロールカラーのアーマーの上からドレス――そのままでは着ることができなかったか らか相当手を加えられている――を纏い、頭の上はいくつものリボンで飾り立てられていた。 ――あれはなんだろう? 率直な疑問が浮かんだ。何やら危険な印象をシンは抱いたがここから見ていてもその理由が分かるはずもなく、 仕方なく近づくことにする。 「え~と……デス子?」 シンの呼びかけにデスティニーはハッと顔を上げた。何故か涙でぐしゃぐしゃになった顔を慌ててドレスの袖で 拭い、再度シンに目を向けたときには赤くなった瞳以外は真剣な表情に変わっていた。 「お、おかえりなさいです!」 「あ? あぁ……」 ただいま、とシンが返す間もなく顔を徐々に朱に染め上げていくデスティニーは叫ぶ。 「お、おおおお、お、お兄ちゃん!」 「…………」 痛々しい沈黙が場を支配する。ポカンと口を開けたままのシンと、真っ赤になって俯いたデスティニー、二人と も次にどう行動するべきか図りかねていた。 「……あー、」 考えがまとまらなくなったシンの口が思考と直結する。 「なんか、変なものでも食ったか?」 短絡的な行動を後悔する暇もなく、顔を羞恥と涙で染めたデスティニーの小さな拳がシンのみぞおちに突き刺 さっていた。 「ごっはぁ!?」 悶絶して倒れるシンの視界に泣き喚きながら何処へと走り去っていくデスティニーの背中が映る。 「……おっかしいなぁ、お兄ちゃんは間違いなく妹好きな感じがしたのに。私のドレスとリボンも着けたのになんで こんなに反応が悪かったんだろ?」 どこからかローラの声が聞こえてきた。事の真相を知ったシンは恨み言を吐くこともできず、意識を手放した。 ……ピアノの旋律が部屋の中に響き渡る。 レッスンが終わった後にはいつも反復練習の意味も含めて同じ曲を繰り返し弾く、子供の頃からのシーラの習 慣であった。 両親に言われてに始めたピアノだったが、このレッスンが終わった後の演奏は彼女が子供の頃から好きな時間 だった。教えられるままに弾くことでは感じることのできない手ごたえを感じることができるからだ。 「――新しい曲か」 演奏が止まる。シーラが窓へ目を向けると、背を向けて縁に腰をかけているレジェンドがいた。 「あら、今日は早いのね」 「久しぶりにシーラのピアノを聴きたくなってね。ひょっとして覚えたてかな?」 ええ、と答えてシーラは再び鍵盤に細い指を走らせる。 穏やかな調べをレジェンドは目を閉じたまま聴き、演奏を疎外しない程度の声でシーラに語りかけた。 「シン・アスカに会ったよ」 「ひょっとして今日の昼?」 「あぁ、話し相手になってもらった。君が両親以外に初めてピアノを聞かせた相手というから気になってね」 曲調がわずかに乱れる。後ろを振り向かずとも、レジェンドにはシーラの表情が分かった。 そのことに気付かない振りをして話を続ける。 「自分に素直な少年だったよ。良くも悪くもまっすぐで、とても危うい」 わずかにレジェンドの瞼が上がる。そこに宿った感情は――哀れみ。 「無茶な頼みかもしれないが、彼の力になってほしい」 もちろん自分も出来うる限りのことはするつもりだが、と補足して彼女は返答を待った。 ……曲調が変わる。 「私になにができるのかはわからないけど」 その言葉に満足したように頷き、レジェンドは目を開け天を見上げる。 黄昏と群青が入り混じった空には月と星が浮かんでいた。 ――今までは特に何も感じることはなかったのだが…… こういう景色は嫌いではないと胸中で呟き、レジェンドは楽しげに笑った。 「今日は良い日だったよ。なにしろ初めて紅茶を美味しいと感じてね……」 昼と夜の境目で、ピアノの音色が止まるまで少女たちの会話は続いた。 前ページ次ページ悠久幻想曲ネタ
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登録日:2014/11/18 (火) 23 55 00 更新日:2023/03/13 Mon 19 43 35NEW! 所要時間:約 11 分で読めます ▽タグ一覧 PS SS UQ UQ2 moo ゲーム シミュレーションゲーム セガサターン メディアワークス 悠久 悠久2 悠久幻想曲 悠久幻想曲 2nd Album 悠久幻想曲 2nd Albumとは、メディアワークス(現:アスキー・メディアワークス)から販売されたSSとPS用シミュレーションゲーム。 悠久シリーズの第2弾にあたる。 略称は悠久2あるいはUQ2。 キャラクターデザインは引き続きmooが担当している。 ◇概要 前作「悠久幻想曲」の直接の続編にあたり、舞台は前作のエンディング直後のエンフィールド。 前作発売から約半年後の販売ということもあってか基本的なコンセプトやシステムに関しては前作を踏襲しており、 10人の仲間達から3人を選んで依頼をこなしていく事にも変更はない。 今回は前作で敵役であった自警団が舞台となっており、前作のサブキャラクターが新たに声付きでメインに昇格。 前作の仲間達も声なしではあるが立ち絵を一新し、サブキャラクターとして登場する。 豊富な会話パターンや魅力的な脇役達は引き続き健在であり、キャラクターが増えて一層、賑やかになったエンフィールドの街を楽しむ事が出来る。 一方でメインのシナリオは前作以上にきな臭い展開が目白押しとなっており、真相解明には複雑な手順を踏む必要もあってか評価が良いとは言い難い。 ◇ストーリー 街の苦情処理を担当する自警団第三部隊は人望の厚いノイマン隊長の指揮の下懸命に働き、街の人々から信頼されていた。 しかし、ノイマン隊長が亡くなった事で隊員達は士気を失い、自警団の予算削減によって苦情処理の仕事が有料化されてしまったため、第三部隊への依頼は激減してしまう。 更に追い討ちをかけるように、苦情処理を無料で引き受けるライバル組織「公安維持局」が設立。 相次ぐ逆境に意欲を失った隊員は次第に第三部隊を離れ、残ったのは主人公1人だけとなってしまった。 第三部隊を解散させたくない主人公は、自警団の団長に部隊存続の直訴を行い、 その場で「一年間暫定的に活動し、その間の街の人々の反応を見て存続か解散かを検討する」という団長の提案を受け入れる。 しかし、第三部隊は今や主人公1人しかおらず、このままでは苦情処理を受けることができない。 そのため、気心の知れた仲間に第三部隊の隊員となってもらい、一緒に働くことにしたのだが………。 ◇システム 育成パート 後述する10人の仲間達から3人を選出し、自警団第三部隊を運営しながら能力の育成を行うパート。 基本的には前作と同じだが、休日にもセーブ・ロードができるようになり、コロシアムでタッグマッチができるようになった。 仕事に必要な能力が整理・変更されており、前作では必要な能力を育てるだけで良かった魔法や奥義の習得には覚醒値を溜めることが必要になった。 覚醒値は仕事内容で変動する地水火風の属性に応じて溜まっていくため、欲しい奥義やステータスアップを狙うなら仲間の属性に気を配りながら仕事を割り振る必要がある。 敵も全体的に固くなっているので戦闘難易度も高くなっている。 また今回は仲間への給料だけでなく自警団への上納金も支払わねばならないため、覚醒値の仕様も相まって序盤は資金面で苦労する事が多い。 ただし、プレイ次第では1度も戦闘を行わずにクリアできるため、仲間のエンディングを見るだけならば自由に育てても支障はない。 すごろくパート メインシナリオからはリストラされ、いつもで任意に請け負う事ができる「任務すごろく」として独立。 失敗してもエンディングの到達には何の支障も出ないが、強制的に全員参加となるため、その週の売り上げが落ちてしまうという難点がある。 やらなくてもゲームはクリアできるが、ライバル組織である公安維持局との絡みがこのイベントに集中しているため、 ただでさえ影が薄い彼らが一層、目立たなくなってしまう。 ヒロイックゲージ 前作と同じ住民達からの信頼度。 1年という期間の中でこの値を一定以上に上げる事ができれば、第三部隊は存続となる。 ただしエンディング次第では………。 今回も特定のキャラクターとエンディングを迎えるためには仲間からの信頼やヒロイックゲージを調整する必要がある。 ◇登場人物 メインキャラクター 主人公 CV:なし プレイヤーの分身。 自警団第三部隊の隊員であり、暫定の部隊長。 前作の主人公と比べると落ち着いていて住民達からの評判も良好。最大の違いは片方だけだがCGに目が描かれている事。 第三部隊存続のために気心を知れた仲間達と共に任務へと臨むのだが、 いくら苦情処理が専門とはいえ自警組織に女子供(しかも何人かは10代前半)を誘う辺り、彼も立派な悠久シリーズの主人公。 言動やCGはどう見ても男性だが設定上は性別不明。 アルベルト・コーレイン CV:置鮎龍太郎 前作からの続投組。 自警団第一部隊隊員。 前作では何かとちょっかいをかけてきたお邪魔虫だったが、今回は同じ自警団の主人公が仲間という事もあってか非常に協力的で頼れる兄貴分となる。 相変わらず血気盛んで暴走気味、化粧が趣味な事も変わっていないが、無理やり押し掛けてきた妹から私生活に口出しされたりと気苦労の多い面も見られるようになる。 アリサさんへの愛は変わらずアプローチを続けているが、例の如く報われない日々を繰り返している。 リオ・バクスター CV:久川綾 資産家の御曹司。大人しい性格で人見知りが激しく、普段は部屋にこもって本を読んでいる。 前作のクリスと同じく由羅に気に入られているが、彼と違って女性自体は苦手ではないので怖がって逃げたりはしない。 高い魔力を持ち、姿が見えない獣に付きまとわれている。 シリーズ最年少の12歳。 ルー・シモンズ CV:松本保典 どんなことでも軽くこなしてしまうクールな天才青年。しかし協調性が皆無で、非常に気まぐれ。 また合理的な性格に反して占いや迷信を相当気にしており、自分用のタロットカードを持っているほど。 その日の行動も占いで決めている。 実は父親と仲が悪く、勘当されている。 イヴ・ギャラガー CV:天野由梨 前作からの続投組。 旧王立図書館で司書のアルバイトをしているクールな女性。 数年前に亡くなった著名な人形師を父に持ち、その遺産である大きい屋敷で一人暮らしをしている。 無駄を嫌う合理主義者でその雰囲気はどこか人間離れしているが………。 ヴァネッサ・ウォーレン CV:鶴ひろみ 自警団のライバル組織である公安維持局の局員。 エリート意識の高い同僚との考えの相違から休職し、そこへ主人公の誘いを受けて自警団に参加する。 その経歴から生粋の自警団員であるアルベルトとは仲が悪く、顔を合わせればすぐに喧嘩に発展する。 また頼れる大人の女性と見せかけて現場経験はゼロという典型的なマニュアル人間でもある。 セリーヌ・ホワイトスノウ CV:宮村優子 教会にある孤児院で子供達の世話をしている女性で、自身も孤児院出身。 桁外れの方向音痴で、簡単な買い物さえも迷子になりがち。加えて言動もスローペースでおっとりしており、一緒にいる人間のペースを狂わせる。 世の中には悪い人はいないと思っているため、人に騙され易い。 また占いがよく当たる、腕力が強い、台所に立つと腕が勝手に動いて料理が出来上がるなどの隠れた才能を持つ。 ディアーナ・レイニー CV:浅田葉子 トーヤの元に押しかけ、勝手に弟子を名乗っている医師志望の少女。 普段着の白衣もトーヤの真似をして繕ったもの。 医学の知識は豊富だが、血に極めて弱く見ただけで気絶してしまうほどであり、 治療中もドジを連発するほどのおっちょこちょい。しかし、医学を志す気持ちは本物であり、前向きでやる時はやる子。 トリーシャ・フォスター CV:飯塚雅弓 前作からの続投組。 相変わらず流行に敏感で、明るく人見知りをしない性格。 普段の振る舞いからは感じられないが、幼いころに母を亡くしており、父のリカルドだけが唯一家族といえる存在である。 しかし、多忙な父とすれ違いが続いており、家族としての関係に悩みを抱えている。 必殺技は斜め45度に静かに振り下ろす「トリーシャチョップ」 橘 由羅(たちばな ゆら) CV:佐久間レイ 前作からの続投組。 キツネの耳と尻尾を持つ希少種族ライシアンの女性。 相変わらずの酒好きで自堕落な生活を続けており、年下好きも変わっていない。 最近はクリスとリオのどちらを選ぶかがもっぱらの悩みの種。 一方でライシアン狩りに狙われているなど、周囲に物騒な気配が漂い始めている。 ローラ・ニューフィールド CV:金丸日向子 前作からの続投組。 前作の終盤において、重病にかかっていたが当時には治す医術がなかったので、100年間魔法で仮死状態になっていたことが判明。 前作主人公の活躍で体も見つかり病気も治り、現在は教会で元気に暮らしている。 燃えるような恋に憧れ、背伸びしたがるお年頃。 主人公の事を「お兄ちゃん」と呼んで慕っている(ちなみに主人公は性別不明である)。 サブキャラクター クレア・コーレイン CV:岩男潤子 非常に丁寧な言葉遣いが特徴的なアルベルトの妹。 他の街の名門女子学校を卒業し、アルベルトに会うためやってきたのだが、 アルベルトの生活態度や「悪癖」を矯正するため、無理矢理同居を始める。 日々の習慣や食生活にまで口やかましく介入してくるが、それもこれも尊敬する兄を更生させたいという一心から来るものである。 彼にとっては有難迷惑なのだが。 ヘキサ CV:西村ちなみ 主人公をサポートさせるため、リカルドが1年間限定で召喚した使い魔。 しかし、いたずら好きで口が悪く、却ってトラブルを発生させがちな上に仕事では何の役にも立たないため、 ただの無駄飯食らいとなっている。 リカルド・フォスター CV:なし 事件の捜査や戦闘を担当する自警団第一部隊の隊長。 主人公のために色々と便宜を図り、アルベルトに手助けを頼むなど相変わらずの良い人。 作中最強の実力は健在だが、今回は娘のトリーシャとの関係が上手くいっていないなどの人間的な弱さも描かれている。 ラジオのドラマでは本家本元「トリーシャチョップ」が使える事が発覚し、娘同様ある人物の暴走を見事に止めている。 ランディ・ウェストウッド CV:なし エンフィールドに大量のよそ者を連れてきた謎の男。 本作のメインシナリオの端々で暗躍し、事件に関わった主人公達と敵対する。 片腕が義手、得物がボウガンというハンディを持ちながらも主人公を赤子のようにあしらう相当の実力者。 全身に危険な気配をまとったその佇まいは明らかに出る作品を間違えている。 公安維持局の局員 CV:なし エンフィールド評議会の反自警団派が設立した苦情処理専門の公共機関「公安維持局」の役員。 各地のエリートを選りすぐって設立されたのだが、現場経験の乏しさや高すぎるエリート意識、住民への態度などから評判は悪い。 公安維持局長のラーキンは比較的まともなのだが、任務すごろくなどで第三部隊と敵対するパメラ、ギャラン、ボルの3人組は、 とにかく陰険でロクに住民からの依頼もこなさず邪魔ばかりしてくる。 ジョンとヤス CV:なし 任務すごろくで敵対する2人組の商人。 背景の説明も主人公との絡みもなく、いつの間にかすごろくに参加している事が多い。 その他、前作の登場人物達 アリサの目の治療方法を求めて旅に出た前作主人公と、とある理由から街を離れているシーラ以外の主要な人物が続投。 脇役として随所で物語を彩ってくれる。 余談 実はこのゲーム、普通にプレイしたのではメインシナリオの謎が中途半端のまま放置され、1年間で起きた事件の真相が闇に葬られてしまう。 真相に辿りつくには仲間(特に主人公)をきっちりと育てた上で正しい選択肢を選び続け、その上でゲームを3周する必要があるという面倒な手順を踏む必要があり、 事前情報がなければまず真相まで辿りつけない。 尚、当時は攻略本も販売されていたが真相への辿りつき方については誤った記載がされていた模様。 追記・修正は真相に辿りついてからお願いします △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 真相まで辿りつけない. -- 名無しさん (2014-11-19 18 49 03) ↑失敗した。俺のことだーーーー!!!パパ…一体何パパだったんだ… -- 名無しさん (2014-11-19 18 51 00) 終盤、ヒロイックゲージが一杯になったから油断して住民からの依頼をほったらかしにしてはいけない!でないと自警団そのものが解散してしまうぞ! -- 名無しさん (2014-11-19 19 02 35) 学生の頃嵌ったな。結局真相には辿り着けなかったけど。トリーシャが好みど真ん中だったから、2でメインキャラになると知った時は小躍りした。 -- 名無しさん (2014-11-20 00 06 47) 2は真相にたどり着けないままだったな・・・1に比べると難易度高めだったのかな? そしてアルベルトエンドでアーッ!な雰囲気だったのは覚えてるw -- 名無しさん (2014-11-20 08 08 15) 「お兄ちゃん」って呼ばれてるのに性別不明ってどういうこっちゃ -- 名無しさん (2014-11-20 11 20 33) ↑このゲームはキャラクタープロフィールが見れるのだけど、主人公はすべて不明になっている。ほかに性別不明キャラがいない 前作はそこだけは男設定になってたので…… -- 名無しさん (2019-01-30 22 54 42) 懐かしいな。メインストーリーは記憶通りなら単に旧隊長と団長の関係が明かされるだけだったような気が(確かトラヴィスが解説しに出てくれば成功)。計画が杜撰な上に主人公が関われないまま方針を変えて裏で決着つけちゃうんで、謎というか置いてきぼりにされたまま全てが終わり、後始末の解説という感じの結末だった。 -- 名無しさん (2023-03-13 19 43 35) 名前 コメント
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前ページ次ページ悠久幻想曲ネタ 紅の翼が、どさりと地に堕ちた。 その音にシンは慌ててデスティニーへと視線を戻す。直撃こそしなかったものの、炎の壁を破ってきたこともあっ てかすぐには立ち上がれないようだった。 「よォ、どうだ? サイコーな気分だろ?」 「お前と一緒にするな。しかし認めなければならないようだ」 卑しい笑みを向けるシャドウを一瞥し、黒いデスティニーはよろよろと立ち上がるデスティニーを睨みつける。 「この耐え難い不快感、抑え切れない衝動……なるほどな、嫌というほどに自分という存在を思い知ってしまう」 「お前の好きにすりゃあいい。『汝の欲することを成せ』、ってな」 「言われなくてもそうさせてもらう」 両肩から漆黒のフラッシュエッジを引き抜かれた。サーベル状に光の刃が伸び、鋭利な輝きを放つ。 「う……」 足元をふらつかせながらデスティニーは呆然としながらゆっくりと近づいてくる影を見つめていた。 シンと同じく、信じられないもの見たというように目を見開いて。 トン、と軽く地を蹴ると同時に黒い翼が広がり、地面を滑るように飛んだ。刹那の間にデスティニーにを間合い の内に捉えた二つの刃が光の弧を描く。 「っ!?」 我に返ったデスティニーがアロンダイトでフラッシュエッジを受け止める。 本来ならばビームの粒子同士が干渉することはないのだが、この世界でのビームは物理魔法に類似するもの となったためにこのような現象が起こるのだった。 突進の勢いは殺されることなく、二体は鍔迫り合いの状態のまま天窓の近くまで昇っていった。 「デス子っ!?」 「アイツを心配してる余裕があんのかァ? テメェだって変わんねェだろうがッ!」 ハッとシンが視線を戻した瞬間、旋風のような蹴りが飛んできた。上体を反らしてギリギリのところで直撃を免れたシンの前髪が数本散る。 「コイツっ!」 「なァに睨んでやがる。こんなときに余所見してる方が悪いんだろ!?」 癇に障る笑い声をあげながらシャドウはさらに手数を増していく。上下左右、あらゆる場所から自在に振るわれ る刃に怖気すら感じつつシンは紙一重という危うい状態で避け続けていた。 「なら、これでっ……!」 間合いを取るために背後へと飛びながらシンはベルトからダガーを抜き撃つ。瞬時に放たれた刃は動きの止まったシャドウの眉間に向かって突き進み、 ――空中で止まった。 「ハッ、残念だった……!?」 左手の二指でダガーを挟み取ったシャドウの言葉が途切れ、頭を仰け反らせた。 ……シンはダガーを二本持っていた。うち一本をバックステップしつつ投げ、そのまま手首のスナップを利かせ て二本目を連続して放ったのだ。 相手の動きが止まった瞬間を狙い、一本目を防いだ直後の油断を突いた連撃。本命である二本目を顔面から 生やしたシャドウはゆっくりと仰向けに倒れていく。 「これでっ!」 「――ひまった(決まった)、ってか?」 倒れかかったシャドウの上半身がピタリと止まり、弾かれたバネのように跳ね戻った。顔に突き立ったかと思わ れたダガーは歯の間に挟まれ、プラプラと揺れていた。 「おふぃかった(惜しかった)、なァ!」 ブッ! と吹き出されたダガーが今度はシンに向かって飛ぶ。首を振って避けたシンに肉薄したシャドウが叩き つけるように黒刃を振り、掲げられた白刃と火花を散らす。 「なかなかイイ線いってたな。けどまだ足りねェ、もっともっとお前の憎しみをぶつけて来い! もっと! もっとだ! もっともっともっともっともっとォ!!」 「くっ……!」 ギリギリと押し付けられる刃に抗いながら、シンは目の前で哂う相手を倒す方法を必死に考え続けていた。 ――シンとシャドウの頭上、燃え盛る壁から舞い散る火の粉を浴びながら二体のデスティニーたちもまた激戦を繰り広げていた。 紅と漆黒の翼が交差する度に光が弾け、時折赤や緑の光芒が放たれる。 「……フン、大剣に頼り切った粗雑な攻撃だ。動きに無駄がありすぎる」 振り下ろされたアロンダイトを最小限の動きで避け、黒いデスティニーはフラッシュエッジでその間隙を切り裂く。 針の穴を通すような正確な反撃に徐々にではあるがデスティニーの装甲に傷が目立ち始め、生身の部分から は血のように淡い光が飛び散っていた。 何合目かの打ち合いの最中、痛みからか顔をしかめながらデスティニーは叫んだ。 「っ、どうしてこんな……貴方はいったい!?」 「説明の必要などないはずだ。お前にも分かることだろう? それとも認めたくないだけか!」 光の刃を互いに押し合わせたまま膠着状態が続いていたが、表情を変えないまま黒いデスティニーは相手を 蹴り飛ばして右手のフラッシュエッジを投げつける。 「何の話を……」 ビームのブーメランを避けた先を狙い、黒いデスティニーはビームライフルを連射する。完全に防戦一方となったデスティニーはビームシールドを展開しながら放たれ続ける光の雨をなんとか凌いでいた。 「まだとぼけるか。それとも本当に分からないのか……まぁいい」 わずかに眉間に歪めながら、黒いデスティニーは高エネルギービーム砲を展開する。 「それでも構わん。私は私の存在を証明するだけだ……貴様を完全に破壊してな!」 砲口に光が集束し、放たれる。赤く輝く光の束はビームシールドに直撃し、デスティニーはその場に縫い付け られたように動きを止めた。 「このっ!」 反撃の糸口を作り出そうと自身もビームライフルに手を伸ばしたデスティニーだったが、突然襲いかかった 背後からの衝撃に空中でバランスを崩した。 「え……?」 唖然とするデスティニーの視界に飛び込んできたのは回転しながら主の元へと戻っていく光の輪、そして砕け た自身の羽根の一部だった。 「――散れ」 再び両手に刃を携えた黒い影が躍り出た。 ――どうする? 変幻自在に襲いかかってくる黒刃を避け、受け、弾きながらシンは自問する。 ――こっちに残った得物はナイフ1、ベルトのダガー2、左の袖に隠してる投げナイフ1……相手は手持ちの ナイフだけ。だけどまだ魔法を温存してる。 シンの背中に悪寒が走る。こめかみを掠めていった刃の冷たさではなく、相手がまだ余力を残しながら自分を 翻弄していることに気付いたからだ。 既にシンの身体はかなりの傷ができていた。対してシャドウは無傷、シンのナイフはその影すらも捉えられずにいた。 ――こっちの癖まで読まれてる……? そこでシンは自身の中で膨らみかけた疑惑を押し殺した。 過度な思案は動きを鈍らせる。まして今考えても仕方がないことに思考を割くわけにはいかない。 この場で求めなければならないことは、どう凌ぐか、どう倒すか、どう逃げるか。 既にシンの頭の中に逃亡の案はなかった。目の前の相手は、どうしても倒さなければならない相手だと本能が 訴えていたからだった。 「ハッ、悩め悩め。考えるのをやめちまったら頭と身体が別れ話始めちまうぞォっ!」 挑発と共に鋭い中段蹴りが飛んでくる。肘と膝で蹴り脚上下からを挟むように受け止めたシンだったが、衝撃を 殺しきれずに弾き飛ばされてしまう。 「ぐっ……!?」 「まァ、考えたところでどうしようもないもんはどうしようもないけどな」 口の端を吊り上げながらシャドウはクルクルとナイフを弄ぶ。その態度には変わらぬ余裕があった。 油断。目的までは分からないものの、シャドウはシンをすぐに殺すつもりはないようだった。強者が弱者を相手 に自らの力を誇示するかのように、じわじわと痛めつけている。 隙があるとすればそこだ。自らの優位を疑わない心理には必ず死角ができる。 そして、シンが勝てる要素があるとするならもうひとつ。 ――あのときの感覚。 連合の大型MAと戦ったときに掴んだあの感覚。そしてフリーダムを倒したときにも生じたあの感覚。 周囲に意識が広がり、敵MSの細かい挙動まで感じ取ることができた、あの感覚。 ――あれが、あれさえ来ればコイツにだって……! あくまで仮定の話だ。そもそもMSに乗っていたときにしかその状態になったことがないのだ、生身でも同じよう になるのかはシン自身にさえ分かっていない。 だが、そんな不確定なものにも頼らなければならないほどにシャドウは強かった。 「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」 シンは雄叫びを上げて強引に攻め込む。五体すべてを総動員した連撃、さすがのシャドウもこのすべてを避け ることはできずに身を守ることに徹した。 一転して攻勢、しかしシンは余裕を実感することなくシャドウが握るナイフの動きに集中する。 攻めるにしろ守るにしろこの動きを見逃してしまったが最後、すぐに勝負は決まってしまう。シンにとって最悪の形となって。 「ハッ! 盛り上がってきたじゃねェか。だがァ……」 突き出された白刃と黒刃が交差し、動きを止めた。シャドウのナイフ、奇妙に折れ曲がった中心の内側にシン のナイフが絡み取られたのだ。 「はしゃぎすぎるとこうなっちまうんだぜっ!」 ブン! とナイフが振られ、絡まったナイフごとシンの身体が引っ張られてバランスを崩した。 「くっ……!?」 背中に冷汗が浮かぶのを感じながらもシンはシャドウのナイフから目を離さなかった。不利な体勢とはいえ、 最悪腕一本を犠牲にすればこの窮地は避けることが出来る。 だからこそ、シンは視線をシャドウのナイフに集中させたのだ。 だが、 ――動かない? この決定的とも言える隙を前にしてシャドウは動かなかった。 微動だにしない右腕、まるで動きを悟られないためにじっとしているかのような…… そこでシンは気付いた。視界の端、唯一動きを見せていたシャドウの左手。 その中に握られた、小さな刃に。 ――あれは、俺の……? 紛れもなく、シンのベルトに差してあったスローイングダガーの一本。おそらくは先程の連投、二本のうち左手 の二指に止められた一本。 「――首、もらったぜ?」 シャドウの呟きを聞いたシンは反射的に首を守ろうと両腕を交差しようとし、一瞬早く、鮮血が舞った。 前ページ次ページ悠久幻想曲ネタ
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前ページ次ページ悠久幻想曲ネタ 「――貴様を、殺す」 「……っ!?」 物騒なセリフと共に飛んできた光の矢をシンは身をよじって避ける。慣性ではためいた上着の 端をビームが掠めていき、シンの鼻腔に焦げた臭いが届いた。 「逃げるな!」 「逃げるに決まってるだろ!? っつーか正気かよこんな場所で!」 続けて放たれる二撃、三撃目を危ういところでかわし、路地裏へとシンは飛び込む。 「街中だぞ!? 流れ弾が無関係な人間に当たったら……」 「貴様を殺せるなら他のものなどどうでもいい」 「っ、お前は……!」 シンの脳内に再びフラッシュバックする過去の光景。まるで虫けらのように吹き飛ばされる家族と、 自分の腕の中で息を引き取った少女。 「ふざけるな! なんでそこまでして俺を狙うんだよ!?」 「なんでだと? 決まっている!」 腰に折り畳まれていた砲身を展開し、フリーダムは血を吐くように叫ぶ。 「貴様が……私を殺したからだ!」 「なっ!?」 ――何を言ってるんだ!? そう叫ぶことが、何故かシンにはできなかった。 フリーダムはひたすらに戦場を混乱させ、ハイネやステラが死ぬ原因となった忌むべきMSなの だ。討たれて然るべき理由があり、そして自分が撃墜した。 何一つとして咎められることなどない。無論それがフリーダム自身からの怨み言など論外のはずだ。 ……だというのに、真っ直ぐぶつけられたその激情にシンはどこか懐かしさすら感じていた。 「仇を取らせてもらう、私自身のな!」 発射される超音速の魔法の砲弾、自身の中に生まれた奇妙な感情に気を取られていたシンは わずかに反応が遅れ、石畳を砕いた衝撃に表通りまで弾き飛ばされた。 「くっ……ぁ」 呻きながらシンは立ち上がり、ふと周りを見て絶句した。あまりにも異常な登場をしたシンを道往く 人々が足を止め呆然と見つめていた。 ざっと見渡すだけで十数人。実際はもっと多いだろう。 「みんな逃げろ!」 それだけ叫んでシンは駆け出す。少し出るだけの予定だったのでナイフを置いてきたのが災いした。 身に付けている武器はご信用に両袖に仕込んだスローイングダガーのみだった。 「逃がさない、貴様だけは!」 振り返る余裕はなかった。しかし背後に生じた異様な気配に反射的に近くの建物へと飛び込んだ。 ――ズバァッ!! 衝撃音に振り返ると、地面に大きな穴が開いていた。 少しでも避けるのが遅れていたら……そう考えたシンの背筋に悪寒が走った。 「ホワチャァァァァァァァァァァァァ!!」 「いっ!?」 突如上がった奇声に意表を突かれながらもシンは身を沈めつつ床を転がる。風を切りながら頭上を 通り過ぎていった何かに冷汗をかきつつ襲撃者へと目を向ける。 「……アンタは」 「ホァァァァァァァァッ! まさかそっちから挑んでくるとは思ってなかったアルよシン・アスカ!」 半裸の男がいた。 引き締まってるといえば引き締まっているガリガリの身体。ぴっちりとしたタイツのようなズボンを穿き、 一心不乱にヌンチャクを振り回している。 ……男の名はマーシャル。悪名高き『マーシャル武器店』の変態店主である。 「道場破りとはいい度胸アル! ここでコロシアムでの雪辱を晴らすアルよ!」 「いやここ武器店だろ……」 呆れながら辺りを見渡す。剣や槍、鎧……意識せず飛び込んだ先がここだったのは幸運なのか 不幸なのか。 「まぁいいや、ちょっと武器借りてくぞ」 「アチャッ!? 道場破りじゃなくて強盗アルか!? 返り討ちにしてくれるアル!」 ホァァァァァァァ! と雄叫びを上げながらマーシャルはヌンチャクを振り回す。 シンは溜息を吐いてゆっくりとマーシャルに近づき、あっさりとヌンチャクをり過ごして鼻っ面に拳を 叩きつけた。 「ホァッチャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」 奇声を上げながらあまりにも呆気なくマーシャルは吹っ飛んでいき、剣の詰まった樽に突っ込んで 動かなくなった。 「あー……もっと鍛えろよ」 罪悪感を感じないでもなかったが、冷静に考えれば襲われたのは自分のほうかと思い直して近くに 飾られていたナイフを手に取る。 ――……これ結構いいものなんじゃないか? サイズ自体は自分の持っているものとそう変わりはないが、重さが増している。かといって使いにくい というわけでもなく、手に吸い付くようにフィットしたグリップのおかげで扱いやすくかった。 「マーシャル、悪いけどこれ借りてくから」 いまだのびているタイツ男にそう告げて、シンは外の気配を探った。 ――? 静かだな…… 不自然な静けさにシンは眉根を寄せる。思い返せばこの店に突入してからフリーダムからの攻撃を 受けていないのだ。 警戒を強めながらシンはゆっくりと店の扉を開ける。遠巻きにこちらの様子を窺う人の壁が見えた。 ――ってことは、まだ近くにいるな…… 緊張でカラカラになった喉を唾で潤し、そっと店の外へと踏み出す。 ――? なんだ? ふと、周りからこちらへ視線を送る人々に違和感を覚えた。 確かにこっちを見ている。しかし何人かはわずかに視線が逸れていた。 ちょうど、自分の真上くらいに…… 「っ!?」 身体に電流が走ったような感覚に弾かれるように振り返り、上を見上げる。 ――いたっ……! 自分を見下ろし、銃口を向ける少女。 避けるのは不可能。突然の事態に反応できたのは、相手の姿を視界に捉えられるまでだった。 「…………」 冷たい視線。無駄な言葉など一切口にせず、フリーダムは引き金を引いた。 ほぼ同時に、シンはナイフを射線に割り込ませた。 こんな小さな刃でどうにかできるはずもないというのに、何故か身体は反応していた。 そして、 ――バシィンッ! 鉄板に何かを叩きつけるような音に、シンもフリーダムも驚いていた。 ――アンチマジックのナイフか! 衝撃にたじろぎながらもシンは直感で自身が握る刃の性質を把握した。 マーシャルの店は曰く付きの武器も多々取り揃えている。これも数ある内のひとつなのだろう。 「だがっ!」 フリーダムは羽と腰の砲門を展開させる。 魔法を無力化できるとはいえ、その範囲はせいぜい二十センチ程度の刃のみである。最大で五つ の目標を同時に攻撃できるフリーダムにとってそんなものは紙の盾よりも破るのは容易いだろう。 「これなら!」 「くっ」 シンは歯を食いしばる。 逃げられるか? と考えたが辺りを見渡しても身を隠せるようなものはない。いや、そんなものがあったところであのフリーダムの砲撃を防げるのかという疑問が頭の中で渦巻き、動くことができずにいた。 ……四つの砲門に光が宿る。鋭い視線が決して自分を逃がさないと宣言していた。 「死……」 フリーダムの口が開く。しかし言葉が発せられかけたと同時に切れ長の瞳が左へ流れ、翼を広げな がら背後にバク宙した。 「ちぃっ……!」 ギリギリのところで避けた光の弾丸が飛んできた方をフリーダムは睨みつけ、それに倣うようにシンも 同じ方向を目を向ける。 「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 「デス子!?」 フリーダムに突撃する紅の翼。肩から光の刃を引き抜き、勢いもそのままに叩きつける。 ――ババババババババッ! 逆手で抜いたフリーダムのビームサーベルとデスティニーのフラッシュエッジがぶつかり合い、 接した部分で光が弾ける。 「……貴様がデスティニーか」 「マスターに……何をする気ですかっ!?」 抑揚もなく事実を確認するように語るフリーダムと、目と声にありったけの怒りを込めてぶつけるデス ティニー。 初めて出会った二人は、この一撃で自分にとって互いがどんな存在なのかを察した。 「何をしようが私の自由だ。だが、邪魔をするなら貴様も排除させてもらう」 「そんな勝手なことっ……!」 声を荒げるデスティニーだが、わずかな隙を突かれて蹴り飛ばされ、空中でバランスを崩してしまう。 「フン……」 フリーダムは翼からビーム砲を展開し、デスティニーに狙いを定める。元が強力なプラズマ収束ビー ム砲だ。デスティニーといえどあれを受ければ一撃で大破しかねない。 それが分かっていたシンは思わず声を上げそうになった。デスティニーもまた窮地に陥ったことを 知って、しかしシンの身の安全を最優先として焦りを押し殺した。 『……あぁ、そのままだデスティニー。その位置がいい』 「っ!?」 『変に動いて当たるなよ』 頭の中で響いた声を信じ、デスティニーはそのまま地面へと落下する。その軌跡の先へとフリーダ ムは銃口を向け、引き金に指をかける。 ――ドゥッ! 二条の赤い光の束が放たれる。 空を裂くように伸びたビームは狙いを外すことなく目標へと辿り着き、 フリーダムとデスティニーの間を、遮るように貫いた。 「なっ!?」 誰もが驚きにある方向へと目を向けた。 街の住人も、フリーダムも、デスティニーも、そしてシンも。 「フ……」 光が放たれた地点、数十メートル先でブラストインパルスは両脇にケルベロスを構えながら、いつも のように不敵な笑みを浮かべていた。 前ページ次ページ悠久幻想曲ネタ
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悠久幻想曲 2nd Albumの動作報告(*1) 引用元 コメント すべてのコメントを見る
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前ページ次ページ悠久幻想曲ネタ <三つの『D』> ――『それ』が目覚めたとき、辺りにはむせ返りそうな程の生い茂る緑だけがあった。 いつからここで倒れていたのかなど『それ』には分からない。 本能的に理解したことは、自分が生まれ落ちてそう間もないこと。そして自分が何者であるかということ だけだった。 上体を起こし、ぐるりと周囲を見渡す。四方の判別がつかないほど木々と草以外に何もなかった。 「…………?」 明らかに自然の奏でるものとは異なる音にその方向を見やる。 低く唸るようなそれは、初めて耳にするはずだというのに聞き覚えがあった。 やがて、音を発していたものが木々の間を縫うようにして現れる。 三人の少女。戦闘機の羽とジェットエンジンを無理矢理くっつけたようなものを背に着けている。 ――ウィンダム。 『それ』の頭の中にひとつの名前が浮かぶ。中空に浮かびながら無表情に見下ろす三つの同じ顔。『それ』は 自然とのひとつに向けてそっと手を伸ばす。 次の瞬間、ウィンダムの腹部に巨大な穴が穿たれ爆散する。 『それ』は驚いた表情で伸ばした自分の手を見る。今しがた放たれたビームを発した何よりの証拠である白い 煙が立ち上っていた。 残った二体が表情を変えず左右に展開して手に持ったビームライフルの銃口を『それ』に向ける。 ――だが遅い。 二つのライフルよりも一瞬早く『それ』の両手が光を放った。 爆音が二つ。残響が消えた後は『それ』が目覚めた直後の静寂が戻る。違いがあるとすればビームに撃ち抜か れた木の焦げた臭いが増えた程度だ。 ――行かないと。 ここには留まれないと判断して立ち上がる。改めて辺りを見ても何も分からなかったので、ウィンダムたちがやって来た 方角とは真逆の方へと歩き始める。 ――『それ』は知る由もなかったが、その先にはエンフィールドと呼ばれる街があった。 ――世の中には、絶対に関わりたくない相手がいる。 こちらを本気で殺そうとする相手、 破滅的な願望も持つ相手、 とてつもなく変態的な相手、 ……まぁそのうちのいくつかに知り合いが当てはまることがないわけではないが。 ともかく、細かく述べていけばそういった相手は無数といっていいほど存在する。 そしてこのとき、シンの頭の中で新たな絶対に関わりたくない相手のジャンルが追加された。 ――高いところで誇らしげに高笑いをする相手、である。 「おーっほっほっほっほっほ!」 真昼間のセントラルロットに高笑いが響き渡る。それほど高さのない建物が並ぶ中では頭一つ抜けて大きな 集合住宅の屋根の上、そこに立つ三人の少女のうち一人――カオスが挙げた声だった。 人通りの少ない時間帯とはいえ、ここまで目立つことをしては注目されるのも当然だろう。 もっとも、それを向けられる側としてはたまったものではないが。 「なぁデス子、今夜何食いたい?」 「たまには牛さんのお肉も食べたいです」 「少しは俺の懐を考慮に入れて意見しろ」 なのでこうして、「あくまであれと自分たちはまったくもって一切合切1ミクロンとも関係ありません」と 言うように二人揃って今夜の食事について話し合ってたりしていた。 「おーっほっほっほ! おーっほっほっほっほ!」 高笑いを続ける少女もまったくの無反応のせいか止めるタイミングを見失い延々と繰り返していた。 隣に立つガイアとアビスもまったく話が進まない状況に呆れていたようだった。口を挟まないのはあくまで 反応を待ち続ける少女の顔を立てるつもりでいるためか。 だが、シンはそれらの事情を把握しつつあえてすべてを無視した。 栗すらない火中に手を突っ込むような真似をするほど愚かではない。根本的な解決にはなっていないが。 「うー、でもマスターが夕飯作る日で牛肉料理があった覚えがないです」 「自腹で負担だからな。って言っても仕事くれるのもアリサさんだから自腹って言えないか」 「とにかく牛が食べたいです。牛! ビーフ!」 「却下、おとなしく鳥か豚で我慢しろ」 会話だけなら他愛もない内容。頭上で妙な笑い声が響いていなければの話だが。 「おーっほっほっほっほっほ! おーっけほっ! げほげほっ!」 むせ始めた。そろそろ限界かもしれない。 「んじゃ行くか」 「はいです」 「ちょっと待て……いやお待ちなさい! けほっ!」 喉が限界に達するほど存分に笑ったので満足したのだろうと思ったが、どうやらまだ用があるらしい。 デスティニーに軽く目配せして警戒を強めるよう促しつつ話を聞くためカオスの方へと顔を向ける。 「――今夜はビィフですね」 ……小声でそう呟きガッツポーズを取るデスティニーにどう伝わっているかは分からなかったが。 「で、なんか用か? 聞いての通りこれから夕飯の準備しなきゃいけないんだけど」 「え、えぇ! そうですとも用がありますとも! だというのにさっきから私を無視してやれ牛だの鳥だの 豚だの! アビス! ガイア! 貴女たちも何か言って……ちょっと? なんですのアビス?」 今までの反動からか一気にまくしたてるカオスだったが、脇に立つアビスが微妙な顔のまま頬を掻いている 様子を見て怪訝そうに眉をひそめた。 「いやな……今日は出直さね? 今のですっげーテンション下がったし」 「はぁ!? 今さら何を!?」 「変に注目集めちまったしさぁ……ここにいなけりゃオレだって他人のフリしてたっての」 「う、うるさい! ガイア、貴女も何を黙りこくって……」 「? どちら様?」 「堂々と他人の振り!?」 何やら漫才が始まった。デスティニーと目だけで会話し、さっさと帰ろうと背を向けた瞬間、 「――おいこらテメェら! 何勝手に帰ろうとしてんだコラァ!? これ以上舐めた真似してっとケツの穴 から脳天までドでかい風穴ブチ空けっぞぉ!? あぁ!?」 ……静寂。 シンが反射的に振り向いて誰が言ったのかを確認してしまうほどの口汚い罵声。 直接目で確認するまでもなく分かっていたことなのだが、荒い呼吸に肩を揺らしながら暴力的な輝きを宿した 目で睨みつけてくるカオスがいた。 「……ドン引き」 「お、おいカオス! 地が出てるぞおい!?」 「あ!? あ! えっと、コホン……おーっほっほっほ!」 「「そこからやり直すのかよ!?」」 反射的にアビスと同じツッコミをしてしまう。カオスはもう一度咳払いをして、こちらに指を突き付けてきた。 「とにかく! 今日という今日は覚悟なさい!」 「え? ってお前ら戦う気なのかよ」 「えぇ、こちらにも少々事情がございますので。こちらとしてもあまり目立つような真似はしたくないのですが、 このままではタダ飯ぐらいだのと言われて追い出されそうなので」 カオスの言い分にシンは何か引っかかるものを覚えた。 言い分から察するにこの三体も何者かに保護されているのだろうが、つまるところ自分を襲うように指示を 出している人間がこの街にいるらしい。シャドウのことが頭をよぎったが、即座に否定する。こうして誰かを 差し向けるよりも本人が率先して襲いに来るだろう。 思えばこの三体や普段どこにいるのかも分からない。しかし、今はそれを聞けるような状況ではなかった。 「ま、それに付け加えるなら……」 すっとカオスが手を掲げる。一瞬の間に現れたビームライフルを掴むとその銃口を向けてきた。 「――積年の恨みってやつを晴らさせてもらうんだよぉ!」 銃口からビームが放たれるより一瞬早くシンはその場から転げるように離れる。石畳に穿たれた無残な弾痕を 見てゾッとした。 「おい! こんな街中でやる気かよ!?」 「おとなしくブチのめされればすぐ済むぜ?」 ニヤついた笑みを浮かべながらアビスがランスを振り回しながら屋根から飛び降りる。 次いで相変わらずの無表情で隣にガイアが降り立ち、最後にカオスがフワリと舞い降りた 「命まで奪う気はありません。ただちょっと病院送りになるだけで結構ですので」 口調こそ落ち着いたものに戻ったがアビスのそれと同じ笑みを浮かべながらカオスはゆっくりと距離を詰め てくる。 「……マスター、下がっててください」 完全にスイッチを切り替えたデスティニーがシンと三体の間を阻むように進み出る。 「えぇ、そう来ると思っていましたわ」 くすりと笑いながらカオスはライフルを構える。 「ですので、絡め手で行かせてもらいますわ」 そう告げた瞬間再びライフルが火を噴く。背後にシンを庇っている以上デスティニーは避けるわけにもいかず 盾でビームを防ぐ。 その横を、 「――え?」 アビスが通り過ぎて行った。 呆然とするのも束の間、背後で上がった声にようやく相手の狙いを理解した。 「うおおおおおおっ!?」 「さぁて! オレらはあっちで楽しもうじゃねーの!」 振り返ると、ナイフでランスを受け止めたシンが路地裏の奥へと押しやられていく姿がかろうじて見えた。 「マスター!?」 後を追おうと羽を広げるも頭上を飛び越えて立ち塞がったガイアにサーベルを突き付けられて動きを封じられる。 「……ごめんね」 ガイアはかすかに眉根を寄せながらそう告げる。 前方にはガイア、背後にはカオス。 この二体を倒さない限りシンを助けに行くこともできないという状況にデスティニーは歯を軋むほどに噛み 締める。あまりにも迂闊にこの三体と接触してしまったことが最大の失敗であった。 「さて、あちらはあちらで楽しむようですので……こっちも楽しもうか」 顔を凶悪な笑みに染めながら、カオスは背中のポッドを射出した。 前ページ次ページ悠久幻想曲ネタ